第三部 増殖効果
魚礁がただ魚を集めるだけではなく、魚を増やす効果があることについての研究
①マウンド礁 周辺の流動に関する現地観測
コンクリートブロックを山のように積み上げて、自然礁 のようにした礁
これも、この10年来の新しいスタイルだ。
流動の観測、土木の研究だから、まるでわからない。山に流れが当たれば湧昇流になるだろう、くらいが僕の知識の限界だ。 マウンド礁
②貝殻魚礁における漁礁効果の長期持続について
牡蠣の養殖等によって、膨大な量の牡蠣殻を金網のような筒にいれて、魚礁に取り付けたのが牡蠣殻漁礁で、20年来の歴史があるので、その効果が持続していることの調査。
牡蠣殻礁 を作っているメーカー、海洋建設は水中科学協会の会員になってくれている。
お台場に設置した人工浅場(魚礁)を作ったのも海洋建設で、むかし、この会社の会長とは、海外視察旅行に同行したことがある。
③貝殻利用による物質循環促進効果の定量について
貝殻が水の浄化にもやくだっている。つまり貝殻に棲みこんでいるゴカイなどの生物が植物プランクトンを食べるので、水が浄化されるという実験だが、生きている牡蠣の浄化よりも効果は薄いようだ。しかし、この研究の手法は興味がある。提携して次のプロジェクトができるかと、発表した研究員の片山くんと話をした。
だから言う訳でもないが、プレゼンターションは抜群に上手でわかりやすかった。
第四部その他
①ガンガゼ駆除作業の労力軽減の取り組み
ガンガゼが海藻を食べて、丸裸にしてしまう。つまり磯焼けになってしまうのでガンガゼを駆除する。ハンマーで3回叩かないと駆除できない。100個体、潰すためには、3000回叩かなくてはならない。圧搾空気の噴出針で突き刺し、瞬間的に飛散させる。これで、疲れない。ここで発表することなのか、とも思うが、ガンガゼを駆除するダイバーにとっては、福音だろう。周囲にはオニヒトデ駆除ダイバー入るけれど、ガンガゼ駆除はいない。しかし、オニヒトデは飛散させると、足のそれぞれが育ってしまうから、この方法は使えない。酢酸を注射して殺す。
②防波堤を越流する津波に対するブロックの安定性について。
これも土木のテーマで、ケーソンを支えるブロックが飛ばないように組み合わせる仕組みだ。次に大津波が来るまでに、このブロックに取り替えるとずいぶん儲かるだろうなあと思う。
さて、ここからが、僕たちの発表の収穫だが、
千葉県水産総合センター生産技術研究室(人工魚礁の研究も仕事にしている)室長に会って、今後の協力態勢を話し会うことができた。
もともと、僕が何か教えたことがあるような記憶があるが、とにかく顔は知っている。アポイントを取ろうと、潜水部の後輩が生産技術研究室にいるので、連絡はお願いしていたのだが、、僕が登録していない電話に出ないという習慣なのですれ違っていた。
発表を聞いてもらうとともに、その後の話をすることができた。
水中科学協会の今後の人工魚礁調査の展開としては、波佐間を中心として、館山から洲崎までの全人工魚礁を潜って撮影する。その結果でこの地域の人工魚礁の総体的な研究につなげたい。それは、どうしても、僕たちだけではどうにもならない。水産センターと協同で行わなければ、効果を研究発表するところまで行けない。
そして、これがオフィシャルに有効になれば、全国各地で、レクリエーショナルダイビングと水産研究機関の協力協働のさきがけになる。
どこまで、自分が生きて活動できるかわからないが、進めなくては、と思っている。
これまでの成果の整理をしなければならないので、3月の調査には間に合わないが、4月の調査の時に、波佐間で水産センターのグループとミーティングする段取りになった。
西崎の魚礁 僕の館山でのセカンドハウスだった。
そして、久しぶりに波佐間以外の場所、西崎、塩見にこれまでの調査で船を出してもらっている。西崎の網代さん、塩見の組合長に電話をかけた。
一年ぶりの連絡だった。二箇所とも船をだしてくれていた船頭が死んでしまっている。この地域、日本の沿岸漁業とは、そういうことなのだ。
そのことはまた別に書くとして、一期一会というけれど儚い。新しい人間関係を構築しなければならない。メールもメッセージも届かない世界だから、久しぶりで電話をかけまくった。
自分もできるかぎりは生きて、やれることはやらなくてはと、今更のように思うが、あとどれだけの時間があるのだろう。天命とはよく言ったものだが、電話する先から先へ、亡くなっているとさすがにこたえる。もっとハードボイルドに生きなければ。
これまで、この地域で水産センターに協力することが滞っていたのは、僕の経営していたスガ・マリンメカニックの縄張りだったからだ。その邪魔をしたくない。しかし、もはや僕の生命も、ダイビング出来るのはあと数年だろう。後ろを向いていたら、完全燃焼することができない。
魚礁がただ魚を集めるだけではなく、魚を増やす効果があることについての研究
①マウンド礁 周辺の流動に関する現地観測
コンクリートブロックを山のように積み上げて、自然礁 のようにした礁
これも、この10年来の新しいスタイルだ。
流動の観測、土木の研究だから、まるでわからない。山に流れが当たれば湧昇流になるだろう、くらいが僕の知識の限界だ。
②貝殻魚礁における漁礁効果の長期持続について
牡蠣の養殖等によって、膨大な量の牡蠣殻を金網のような筒にいれて、魚礁に取り付けたのが牡蠣殻漁礁で、20年来の歴史があるので、その効果が持続していることの調査。
牡蠣殻礁 を作っているメーカー、海洋建設は水中科学協会の会員になってくれている。
お台場に設置した人工浅場(魚礁)を作ったのも海洋建設で、むかし、この会社の会長とは、海外視察旅行に同行したことがある。
③貝殻利用による物質循環促進効果の定量について
貝殻が水の浄化にもやくだっている。つまり貝殻に棲みこんでいるゴカイなどの生物が植物プランクトンを食べるので、水が浄化されるという実験だが、生きている牡蠣の浄化よりも効果は薄いようだ。しかし、この研究の手法は興味がある。提携して次のプロジェクトができるかと、発表した研究員の片山くんと話をした。
だから言う訳でもないが、プレゼンターションは抜群に上手でわかりやすかった。
第四部その他
①ガンガゼ駆除作業の労力軽減の取り組み
ガンガゼが海藻を食べて、丸裸にしてしまう。つまり磯焼けになってしまうのでガンガゼを駆除する。ハンマーで3回叩かないと駆除できない。100個体、潰すためには、3000回叩かなくてはならない。圧搾空気の噴出針で突き刺し、瞬間的に飛散させる。これで、疲れない。ここで発表することなのか、とも思うが、ガンガゼを駆除するダイバーにとっては、福音だろう。周囲にはオニヒトデ駆除ダイバー入るけれど、ガンガゼ駆除はいない。しかし、オニヒトデは飛散させると、足のそれぞれが育ってしまうから、この方法は使えない。酢酸を注射して殺す。
②防波堤を越流する津波に対するブロックの安定性について。
これも土木のテーマで、ケーソンを支えるブロックが飛ばないように組み合わせる仕組みだ。次に大津波が来るまでに、このブロックに取り替えるとずいぶん儲かるだろうなあと思う。
さて、ここからが、僕たちの発表の収穫だが、
千葉県水産総合センター生産技術研究室(人工魚礁の研究も仕事にしている)室長に会って、今後の協力態勢を話し会うことができた。
もともと、僕が何か教えたことがあるような記憶があるが、とにかく顔は知っている。アポイントを取ろうと、潜水部の後輩が生産技術研究室にいるので、連絡はお願いしていたのだが、、僕が登録していない電話に出ないという習慣なのですれ違っていた。
発表を聞いてもらうとともに、その後の話をすることができた。
水中科学協会の今後の人工魚礁調査の展開としては、波佐間を中心として、館山から洲崎までの全人工魚礁を潜って撮影する。その結果でこの地域の人工魚礁の総体的な研究につなげたい。それは、どうしても、僕たちだけではどうにもならない。水産センターと協同で行わなければ、効果を研究発表するところまで行けない。
そして、これがオフィシャルに有効になれば、全国各地で、レクリエーショナルダイビングと水産研究機関の協力協働のさきがけになる。
どこまで、自分が生きて活動できるかわからないが、進めなくては、と思っている。
これまでの成果の整理をしなければならないので、3月の調査には間に合わないが、4月の調査の時に、波佐間で水産センターのグループとミーティングする段取りになった。
西崎の魚礁 僕の館山でのセカンドハウスだった。
そして、久しぶりに波佐間以外の場所、西崎、塩見にこれまでの調査で船を出してもらっている。西崎の網代さん、塩見の組合長に電話をかけた。
一年ぶりの連絡だった。二箇所とも船をだしてくれていた船頭が死んでしまっている。この地域、日本の沿岸漁業とは、そういうことなのだ。
そのことはまた別に書くとして、一期一会というけれど儚い。新しい人間関係を構築しなければならない。メールもメッセージも届かない世界だから、久しぶりで電話をかけまくった。
自分もできるかぎりは生きて、やれることはやらなくてはと、今更のように思うが、あとどれだけの時間があるのだろう。天命とはよく言ったものだが、電話する先から先へ、亡くなっているとさすがにこたえる。もっとハードボイルドに生きなければ。
これまで、この地域で水産センターに協力することが滞っていたのは、僕の経営していたスガ・マリンメカニックの縄張りだったからだ。その邪魔をしたくない。しかし、もはや僕の生命も、ダイビング出来るのはあと数年だろう。後ろを向いていたら、完全燃焼することができない。