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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0304 学生のスキンダイビング練習

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  昨日に引き続いての学生連盟のダイビングについて
  2006年の2月23日のブログ、今から10年前のことだ

Feb 23, 2006
 学生クラブの練習、その1

学習院大学のスキンダイビング練習
 ウエットスーツを着て、ウエイトなし、マスククリアーを練習している。
 監視のバディはウエイトを着けている。
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 2月22日、関東学生潜水連盟の辰巳プールでの練習に付き合った。このところ関東学生潜水連盟に遊んでもらっている。
 練習を見た講評は?と聞かれたので、ブログに書くと答えた。※2006年のことだ。念のため。
 練習は法政大学と学習院大学の合同練習である。合同と言っても一緒のプログラムをやるわけではなく、広いプールを分け合ってそれぞれが自分たちの予定していたプログラムで練習する。二つの大学の練習が個別に見られて良かった。SAIのシンポジュウムをやっても、それは机上のことである。実際の練習を見なくては、本当のところはわからない。合宿について行く時間も無いので、辰巳で見られるのは、好都合だった。
 学習院大学は、7人か8人だろうか、小人数だ。法政大学の方は、20人か30人で、これは大勢だ。
 まず、学習院大学の方から感想を言おう。感じたことをそのまま書くので、失礼があっても勘弁して欲しい。それに、ほんの一時間見ただけだから、それも自分の練習をしながら横目でみただけだから、真の姿かどうかはわからない。
 学習院というと、なんとなく派手なイメージを受ける。しかし、学習院は、かつて、競技会で全盛だったころがあるのを知っている。今でもバリバリの体育会系に見える。まず、ウエットスーツは全員が黒だ。黒のロングジョンの上に、前チャックの黒い長袖上着だ。女の子も同じだ。1960年代にタイムスリップしたようで、懐かしい。

※ 米印で現在の事を書く。
※、現在は学習院大学尾宮崎監督としたしくなり、この経緯もそのうちに書きたいが、とにかく親しくさせてもらっていて、学習院のクラブ員たちが辰巳にきてくれる。
自分としてはできるだけの事をしてあげたい。最近は僕がタンクを運んで、タンクを使った練習が半分で、あまりよくみていないが、危なげなくやっている。今でも黒のウエットスーツだ。人数も8人か9人で、これがこの倶楽部の理想に近い定員のように見える。すごく礼儀正しくて、練習が終わると整列して挨拶をされる。こちらがそんなことに慣れていないので、学生のようにまともな挨拶を返せない。これではいけないと反省するが、次もきっと上手く挨拶できないだろう。

再び2006年に戻って

 私が水中で見たのは、二時間の練習のうち、(後半は寒くなったので水からでてしまったので)前半の一時間だけだったが、1時間は徹底して、5mの深さに潜るスキンダイビングの練習であった。
 バディで、一人は監視する役割で練習が進行している。監視する役割(2年生?)はウエイトを着けているので普通に潜降できる。練習する一人(1年生)はウエイトを着けていない。炭酸ガスカートリッジで膨張させる型のライフジャケットを着けている。これは、ライフジャケットであり、BCDではない。おそらく海で練習する際にもこのスタイルで練習するのだろう。
 ウエットスーツを着て、ウエイトを着けていないのだから、潜降は強いキックをしなければ潜れない。水深5mだから、はじめての経験ならば、かなり苦労するだろう。すでに何度か練習を積んでいることの反復のようにスムースに潜っている。プールの底では、頭を下にして足が上に上がって、逆立ちの形になり常にフィンキックを続けていないと身体が浮いてしまう。
 この形で様々なエキササイズをやる。マスククリアー、腕時計の着脱などをやっていたが、バリエーションは様々に考えられる。
 この方法の優れているところは、フィンキックを止めると浮いてしまうことだ。
 息こらえでの練習でやめて欲しいのは、例えばプールの底に腹這いになって動かずに時計を見ているようなスタイルだ。昔、このやり方で意識を失ってしまう事故を経験したことがあるので、ことある毎に、横たわって動かない練習はやめるようにと言っている。
 スキンダイビングの練習で、とにかく大事なことは一人にしないことだ。監視役、教える方はウエイトベルトを着けているから付き添って練習を幇助するのは容易だ。これは、早稲田の水中倶楽部だが、幇助する側の上級生がブラックアウトを起こしたことがある。この方法ならば、教えられる方はフィンキックを続けなければならないのだから、潜っている時間は短くなり、上級生がブラックアウトを起こす可能性は少ない。
 マスククリアーは、潜ってから外してまた着けるやり方だったが、手早くやらないと息が尽きてしまう。これも、私が学生時代、瞬きをするのと同じ早さで水を抜きたい、などとマスククリアーの早さを競ったことを思い出した。
 つい先頃、秋田県の県立男鹿海洋高校で、潜水部の自主練習で、ブラックアウトの事故が起こった。この事故の詳細は知らせられていないので、意見を述べることは出来ないが、多分一人になり、動かない練習をしていたのではないかと想像する。スキンダイビング練習の危険について、この事故を例にして、SAIシンポジュウムの冒頭に話をしたのだが、海洋高校ではどんな練習をしていたのだろうか。海洋高校の先生は、一般の指導団体の指導を受けていたのだが、現在の民間の指導団体は、スキンダイビングをつきつめてやらないから、スキンダイビングの繰り返し練習のプログラムとノウハウを持っていない。

 学習院大学のスキンダイビング練習は、合理的なものであり、海洋高校などにも見習わせたいものだったが、気になることはいくつかある。小人数の練習であるのに、二つのグループに分かれていて、それぞれ別に行われていた。ダイビングは自己責任のスポーツであり、教える側、教えられる側が個々に責任を負っているのだから、これでも良いのだが、何かが起こった時には複数の目と手があった方が良い。しかし、私の目に映らなかっただけで、実際は離れていても10m、透明度は水晶のようなプールだから、実は繋がりがあったのかも知れない。実は、私も一人でスキンダイビングで彼等の練習を見ている。私に何かがあれば、目がたくさんあるから誰かが助けてくれるだろうとは思っていても、私と学生との間に有機的な繋がりがあるわけではない。一番危ないのは私かも知れない。

 SAIシンポジュウムで書いてもらったペーパーでは、学習院大学は、書いたマニュアルよりも、現場での経験重視のようだ。
 実際の海での活動で、彼等がどのように動くのか、とても見てみたい。
 1時間見ただけなのだが、学習院大学のスキンダイビング練習は、バディ個としてはとても優れた方法であり、危なげはなかった。実際に海では、練習でも活動でもバディ単位で行われるのだから、これでよいのだが。複数のバディがどのように連携しているのか、そのシステムがあるのかが見たい。それとも、徹底的にバディ単位で責任を持って動くフィロソフィーがあるのかもしれない。
 ただ、彼等のスタイルが、現代の若い子に受け入れられるのだろうか?だから部員が少なくなるのではないか、少し心配だ。
 でも、やり方によっては、かえって今の時代に受けるかも知れない。
 冬季オリンピックを見ているが、今の若者スタイルの、ハーフパイプ・スノーボードが阿呆馬鹿に見え、地味で真摯なカーリングが格好良く見えた。

※、宮崎監督によれば、その後学習院は冬の時代を迎えて、ことしようやく復活したと2015年に言っていた。
 学生のダイビングは、スキンダイビングが基本だが、そのスキンダイビングでの事故が多い。昨年 スキンダイビング・セーフティという本を書いたが、その中の一章を学生のダイビングについて書いた。また、スキンダイビングの事故例も全て、学生の例だ。

 自分たちのスキンダイビング練習会でも、学習院のようにやれれば良いのだが、できない自由練習だ。


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