2005年から2007年 テレビ朝日のスポーツ番組でシンクロの撮影を5回ぐらいやった。
その時、とびとびで、シンクロの事をブログに載せたのだが、まとめてみた。
Jul 26, 2006
鈴木選手 シンクロ
新生日本ペアを組む鈴木と原田の勢いが初の大舞台ではじけた。雨中でのTRは規定要素をこなした上に元気な脚技を繰り出し、鈴木が「思った以上の出来」と振り返った演技で2位に。
7月22日、その鈴木選手と原田選手の撮影をした。
昨年まで、フランスの不世出のオリンピックメダリストで、日本にもよく来てくれた、ビルジニー・デデュー選手の撮影を何回かやってきたのだが、そのデデュー選手も引退、最後にデデュー選手と、これも引退した武田選手の特別プログラムの白鳥の湖を撮影した時に、鈴木、原田選手もおまけ的に撮影した。今回は堂々の主役である。時代は移り変わって行く。
鈴木選手、原田選手は、カメラの、つまり、僕の側が、彼女たちの動きについて行けなくて、何回も演技のやり直しを御願いしたのだが、嫌な顔を全く見せないで、笑顔でやってくれた。
僕も疲れ果てたが、スポーツ選手の撮影は何時も気持ちが良い。
写真は鈴木選手のリフトされた足、この美しい足がめまぐるしく激しく動く。
いくら足がすばらしくても、足だけの紹介では失礼、そこで顔も撮影させてもらった。
すべての撮影が終了してから御願いしたので、その時、原田選手はもういなくなってしまっていた。残念。
Aug 10, 2006
シンクロ撮影
このところ、シンクロの撮影が続いている。台風が来て、海には出られない時だから、プールの仕事はラッキーだ。
西ヶ原の国立スポーツー研究所のシンクロ専用プールで、この写真は、水中ハウジングではなくて、覗き窓から撮影した。西ヶ原の文科省の国立スポーツ研究所は、ありとあらゆるスポーツの研究ができる施設で、シンクロについては、こんなに立派なプールがある。すべてのスポーツの研究ができる施設だが、その中に、スクーバダイビングとか、スキンダイビングとかスノーケリングの研究室は無い。国の研究の対象になっていないのだ。そこを何とか、国立研究所で相手にしてくれる程度のスポーツにしたいと、(財)社会スポーツセンターで、社会体育指導者の導入をしたのだが・・・・
※スクーバとかスキンダイビングは、商業スポーツであり、国(文科省)が指導とか口をはさむスポーツではないという見方をされている。このことが良いことか悪いことかは、一概にはいえない。
窓からでもこのくらいは撮れるのに、水中から撮影する理由は、カメラが選手に接近できて、迫力のある水中映像になるからだ。
今回はテニスの松岡さんのコーナーで、彼が一緒に選手たちとプールに入ってみるところの撮影だ。松岡さんが潜水が上手なのにおどろいた。フィン・マスク・スノーケルは着けないで、ゴーグルだけで、けっこう息が長く潜る。今の僕よりは長く潜れるかも知れない。
昔、昔、加山雄三さんがよく潜るので驚いたことがあるが、そのころの加山さんなみに、松岡さんは潜る。子供の頃にスイミングスクールに通っていて、水泳は得意なのだそうだ。
Aug 27, 2008
シンクロ 壮絶
シンクロ日本 壮絶!気絶!!5位
「北京五輪・シンクロ」(23日)(ヤフースポーツ)
日本が壮絶に散った。チームの後半フリールーティン(FR)を行い、日本は減点も受けて47・167点にとどまり、テクニカルルーティン(TR)との合計95・334点で5位に終わった。力を出し尽くした小林寛美(23)=浜寺水練学校=が、最後のポーズを決めた後に気絶するアクシデント。シンクロが初めて採用された84年ロサンゼルス以来、日本がメダルを逃したのは初めてのことだった。FRで満点を出したロシアが優勝し、スペインが2位。3位は中国だった。
◇ ◇
シンクロニッポンの壮絶な結末だった。約4分の演技のフィニッシュ。15秒も続く息継ぎなしのフィナーレを迎え、水中から足で魅せた8人が同時に浮かび上がるはずだった。
ところが、ほんの一瞬、小林だけが遅れた。過呼吸で失神寸前に陥っていた。頭が真っ白になり、1人では体を支えられない。異変を感じた鈴木や原田が声をかけたが、反応がない。目を閉じ、しばらく天井を向いたままだった。
男性スタッフ2人が慌ててプールに飛び込み、担架に乗せられて医務室へ。幸いすぐに回復したが、小林はメダルを失った責任を背負い込むように「大丈夫です。すいません」と小声で繰り返した。
極限状態で戦い続けていた。テクニカルルーティンは、中国に続く4位発進。背水の陣でのフリールーティンは、水の神とされる「瀧神」をイメージし、「龍」の文字を入れた衣装で臨んだが、気合は空回りした。
開始早々、小林のリフト(ジャンプ)の際に、支える1人がプールの底に足をつけてしまい減点。中国が遠くなるどころか、カナダにも抜かれてしまった。
「チームで取れなかったのは非常に悔しいし、残念。力がなかった」。完敗を認めた金子正子シンクロ委員長は、無念の思いを明かした。小林については「泳ぎ切った後、精も根も尽き果てたんでしょう。人一倍まじめな子。ケアしてあげないと」と思いやり、中国の初メダルには「デュエットでは井村先生に“おめでとう”って言ってもらった。今度は私が言う番」と、遺恨を捨てて祝福した。
伝統の記録は途絶えた。主将の鈴木は「悔いが残ることをしたくなかった。覚悟を決めて臨んだが、世界が1歩も2歩も上だった」と敗戦を受け入れたが、このまま手をこまぬいてはいられない。金子委員長は「アトランタ後に落ちた米国、カナダの二の舞いにならないように」と肝に銘じた。4年後の復活へ。日本のお家芸に底力は残されているはずだ。
以上はヤフー・スポーツから。
2006年、7月26日、僕がシンクロチームの練習を水中から撮影した最後だ。その時もブログに書いたので、日にちも良くおぼえている。
不世出のシンクロチャンピオン、フランスのヴィルジニーも何回か撮影した。そのことも、何回かブログに書いたし、まだ、ブログをやっていない頃には、ホームページにも書いた。
シンクロには思い入れがある。シンクロの水中だったら、須賀だと思われていた。と思う。
そのシンクロで、北京オリンピック、チームの一人が失神して、マスコミは壮絶と書いている。しかし、失神したことは、最近流行っている潜水選手権(※フリーダイビング競技のこと、当時はまだフリーダイビングという呼び名が一般的ではなかった)では失格である。潜水選手権では、水平に長い距離潜水して、頭を出したとき、1分半以内に、手の指で、オーケーサインを出して、「アイム、オーケー」と言わないと失格になる。
失神(ブラックアウト)したことは、仕方がない。これまで失神しなかったことがおかしいと思えるほど、シンクロは壮絶な競技である。過呼吸で失神寸前になったなどと書いてあるが、潜水競技や、フリーダイビング競技ではだれでもやるハイパーベンチレーションなどシンクロではできない。競技の途中で、一呼吸か二呼吸、ちょっと息継ぎをするだけだ。それでいて、ただゆっくりと水平に泳ぐ潜水競技などとは比べ物にならない過酷な動きをする。安全のために、ウエイトを持って立ち泳ぎ練習をしないようにしたダイバーとは、レベルがちがう。過呼吸による失神ではない。呼吸できなかったための酸欠失神であると思う。息を一杯吸えないで、水中で運動することの過酷さは、ダイバーならば誰でも知っている。
彼女たちは人ではない、と撮影しながら何時でも思った。
失神した子は、最後のフィナーレの前に、きっと、息継ぎに失敗したのだと思う。
ダイバー的に考えると、あの失神は、壮絶などというものではなく、よくも助かった。九死に一生だった。と思う。酸欠は本当に恐ろしい。紙一重で、廃人になってしまう。ダイビングがどれほど安全であり、シンクロがどれほど危険であるかがわかる。鍛え上げているから、助かったのだと思う。
ダイビング界的な表現をすると、あの失神は「危険」であり、スポーツ的な表現をすると「壮絶」になるのだろうか。
その時、とびとびで、シンクロの事をブログに載せたのだが、まとめてみた。
Jul 26, 2006
鈴木選手 シンクロ
新生日本ペアを組む鈴木と原田の勢いが初の大舞台ではじけた。雨中でのTRは規定要素をこなした上に元気な脚技を繰り出し、鈴木が「思った以上の出来」と振り返った演技で2位に。
7月22日、その鈴木選手と原田選手の撮影をした。
昨年まで、フランスの不世出のオリンピックメダリストで、日本にもよく来てくれた、ビルジニー・デデュー選手の撮影を何回かやってきたのだが、そのデデュー選手も引退、最後にデデュー選手と、これも引退した武田選手の特別プログラムの白鳥の湖を撮影した時に、鈴木、原田選手もおまけ的に撮影した。今回は堂々の主役である。時代は移り変わって行く。
鈴木選手、原田選手は、カメラの、つまり、僕の側が、彼女たちの動きについて行けなくて、何回も演技のやり直しを御願いしたのだが、嫌な顔を全く見せないで、笑顔でやってくれた。
僕も疲れ果てたが、スポーツ選手の撮影は何時も気持ちが良い。
写真は鈴木選手のリフトされた足、この美しい足がめまぐるしく激しく動く。
いくら足がすばらしくても、足だけの紹介では失礼、そこで顔も撮影させてもらった。
すべての撮影が終了してから御願いしたので、その時、原田選手はもういなくなってしまっていた。残念。
Aug 10, 2006
シンクロ撮影
このところ、シンクロの撮影が続いている。台風が来て、海には出られない時だから、プールの仕事はラッキーだ。
西ヶ原の国立スポーツー研究所のシンクロ専用プールで、この写真は、水中ハウジングではなくて、覗き窓から撮影した。西ヶ原の文科省の国立スポーツ研究所は、ありとあらゆるスポーツの研究ができる施設で、シンクロについては、こんなに立派なプールがある。すべてのスポーツの研究ができる施設だが、その中に、スクーバダイビングとか、スキンダイビングとかスノーケリングの研究室は無い。国の研究の対象になっていないのだ。そこを何とか、国立研究所で相手にしてくれる程度のスポーツにしたいと、(財)社会スポーツセンターで、社会体育指導者の導入をしたのだが・・・・
※スクーバとかスキンダイビングは、商業スポーツであり、国(文科省)が指導とか口をはさむスポーツではないという見方をされている。このことが良いことか悪いことかは、一概にはいえない。
窓からでもこのくらいは撮れるのに、水中から撮影する理由は、カメラが選手に接近できて、迫力のある水中映像になるからだ。
今回はテニスの松岡さんのコーナーで、彼が一緒に選手たちとプールに入ってみるところの撮影だ。松岡さんが潜水が上手なのにおどろいた。フィン・マスク・スノーケルは着けないで、ゴーグルだけで、けっこう息が長く潜る。今の僕よりは長く潜れるかも知れない。
昔、昔、加山雄三さんがよく潜るので驚いたことがあるが、そのころの加山さんなみに、松岡さんは潜る。子供の頃にスイミングスクールに通っていて、水泳は得意なのだそうだ。
Aug 27, 2008
シンクロ 壮絶
シンクロ日本 壮絶!気絶!!5位
「北京五輪・シンクロ」(23日)(ヤフースポーツ)
日本が壮絶に散った。チームの後半フリールーティン(FR)を行い、日本は減点も受けて47・167点にとどまり、テクニカルルーティン(TR)との合計95・334点で5位に終わった。力を出し尽くした小林寛美(23)=浜寺水練学校=が、最後のポーズを決めた後に気絶するアクシデント。シンクロが初めて採用された84年ロサンゼルス以来、日本がメダルを逃したのは初めてのことだった。FRで満点を出したロシアが優勝し、スペインが2位。3位は中国だった。
◇ ◇
シンクロニッポンの壮絶な結末だった。約4分の演技のフィニッシュ。15秒も続く息継ぎなしのフィナーレを迎え、水中から足で魅せた8人が同時に浮かび上がるはずだった。
ところが、ほんの一瞬、小林だけが遅れた。過呼吸で失神寸前に陥っていた。頭が真っ白になり、1人では体を支えられない。異変を感じた鈴木や原田が声をかけたが、反応がない。目を閉じ、しばらく天井を向いたままだった。
男性スタッフ2人が慌ててプールに飛び込み、担架に乗せられて医務室へ。幸いすぐに回復したが、小林はメダルを失った責任を背負い込むように「大丈夫です。すいません」と小声で繰り返した。
極限状態で戦い続けていた。テクニカルルーティンは、中国に続く4位発進。背水の陣でのフリールーティンは、水の神とされる「瀧神」をイメージし、「龍」の文字を入れた衣装で臨んだが、気合は空回りした。
開始早々、小林のリフト(ジャンプ)の際に、支える1人がプールの底に足をつけてしまい減点。中国が遠くなるどころか、カナダにも抜かれてしまった。
「チームで取れなかったのは非常に悔しいし、残念。力がなかった」。完敗を認めた金子正子シンクロ委員長は、無念の思いを明かした。小林については「泳ぎ切った後、精も根も尽き果てたんでしょう。人一倍まじめな子。ケアしてあげないと」と思いやり、中国の初メダルには「デュエットでは井村先生に“おめでとう”って言ってもらった。今度は私が言う番」と、遺恨を捨てて祝福した。
伝統の記録は途絶えた。主将の鈴木は「悔いが残ることをしたくなかった。覚悟を決めて臨んだが、世界が1歩も2歩も上だった」と敗戦を受け入れたが、このまま手をこまぬいてはいられない。金子委員長は「アトランタ後に落ちた米国、カナダの二の舞いにならないように」と肝に銘じた。4年後の復活へ。日本のお家芸に底力は残されているはずだ。
以上はヤフー・スポーツから。
2006年、7月26日、僕がシンクロチームの練習を水中から撮影した最後だ。その時もブログに書いたので、日にちも良くおぼえている。
不世出のシンクロチャンピオン、フランスのヴィルジニーも何回か撮影した。そのことも、何回かブログに書いたし、まだ、ブログをやっていない頃には、ホームページにも書いた。
シンクロには思い入れがある。シンクロの水中だったら、須賀だと思われていた。と思う。
そのシンクロで、北京オリンピック、チームの一人が失神して、マスコミは壮絶と書いている。しかし、失神したことは、最近流行っている潜水選手権(※フリーダイビング競技のこと、当時はまだフリーダイビングという呼び名が一般的ではなかった)では失格である。潜水選手権では、水平に長い距離潜水して、頭を出したとき、1分半以内に、手の指で、オーケーサインを出して、「アイム、オーケー」と言わないと失格になる。
失神(ブラックアウト)したことは、仕方がない。これまで失神しなかったことがおかしいと思えるほど、シンクロは壮絶な競技である。過呼吸で失神寸前になったなどと書いてあるが、潜水競技や、フリーダイビング競技ではだれでもやるハイパーベンチレーションなどシンクロではできない。競技の途中で、一呼吸か二呼吸、ちょっと息継ぎをするだけだ。それでいて、ただゆっくりと水平に泳ぐ潜水競技などとは比べ物にならない過酷な動きをする。安全のために、ウエイトを持って立ち泳ぎ練習をしないようにしたダイバーとは、レベルがちがう。過呼吸による失神ではない。呼吸できなかったための酸欠失神であると思う。息を一杯吸えないで、水中で運動することの過酷さは、ダイバーならば誰でも知っている。
彼女たちは人ではない、と撮影しながら何時でも思った。
失神した子は、最後のフィナーレの前に、きっと、息継ぎに失敗したのだと思う。
ダイバー的に考えると、あの失神は、壮絶などというものではなく、よくも助かった。九死に一生だった。と思う。酸欠は本当に恐ろしい。紙一重で、廃人になってしまう。ダイビングがどれほど安全であり、シンクロがどれほど危険であるかがわかる。鍛え上げているから、助かったのだと思う。
ダイビング界的な表現をすると、あの失神は「危険」であり、スポーツ的な表現をすると「壮絶」になるのだろうか。