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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0509 富戸ー3

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 ウエアラブルカメラで、エントリーからエキジットまで連続して撮影して、後からそれを見ると、何が起こったのか、何があったのか、そして自分が何をしたのかよくわかる。一日に三本も潜り、そして何人もの講習生を連れて潜るインストラクターや、ガイドダイバーにとって、そんなことを繰り返すのはとてもできない。不可能だ。しかし、その不可能だというところにダイビングの問題点、絶対に解消しえない問題点であるけれど、そこに事故の種が蒔かれている。
 よく、ダイビングを他の活動と比較してみる。一番よく使われたのが、ダイビングと自動車の運転だろう。車の運転は現代では日常の事であり、人間が歩くのと、同じ、自動車は下駄のようなものともいえる。比べてダイビングは非日常の世界、危険度を比べて、どちらが危険などと考えることがナンセンスなのだが、よく、ダイビングは自分さえしっかりしていれば事故は起こらない。自動車事故はいただいてしまうことがある。などと呉べて論じたりした。あんまり意味はない。
 この頃僕は飛行機とダイビングを比べて見ることがある。比べ立ってどうすることもできないのだから、比べても意味はないが、視点を変える意味では面白い。
飛行機の訓練は、全部教官が隣に、あるいは後ろに居て、アドバイスする。もしくは模範を示したりする。そして、単独飛行になる。ダイビングもサイド・バイ・サイドで訓練し、それから単独飛行にするべきなのだが、経費の面でも時間でもできない。僕たちのシステム、僕たちのグループならば、それは可能なのだが、すべてのダイビングでやっているわけではない。そして、その状況をウエアラブルカメラですべて撮っておいて、それを見ながら、その日のダイビングをチェックすることもできる。
これは事実上できない。だから、理想ではあるが現実ではないが、時間が経ってから、自分で見ることはできる。本当はバディと一緒に見たいのだが、これもなかなか難しい。例えばご夫婦であったり、恋人どうしだったり、すればできる。そのことに、いろいろ弊害はあるが、それはダイビングそのものの弊害ではない。
インストラクターやガイドダイバーが、店に戻ってお客と見ることは、やってみる必要があるし、やがて実行されるだろう。このことが、僕がウエアラブルカメラを薦めていることの第一ポイントである。

 三日、富戸でのダイビングは、僕は棒の先にカメラを着けた、これをポールカメラと呼んだり、僕は棒カメラと呼んだりしているが、とにかく、この3日、4日のダイビングでは、この棒カメラでエントリーからエキジットまで廻し続けている。

 ウエットスーツとドライスーツ、比較論は今さら意味がないが、もちろん、ウエットスーツの方が体が動きやすい。一番いいのは裸だが、これは寒いし身体を傷つけるから、ダメ。昔は、春3月、水温が14度になるとウエットスーツに衣替えしたが、今の僕は20度だろう。今回は16度から18度、そして、僕はいまドライスーツだけしか持っていない。ウエットスーツは、いつも着ていないときつくなってしまう。それに、ぼろぼろで、作り直す時が来ているが、寸法を測って注文に行くのが一仕事だ。そろそろ、あんまりぴっちりしない出来合いの方が良いのかな、と思ったりする。小久保教授は、ウエットスーツを失くしたのか、僕のところの学生レンタルスーツを着ている。レンタルの必要があって、探したが一着足りない。どこへ行ったのかと思っていたら、今回、小久保が着ている。 このウエットスーツは、もう止めてしまった機材メーカー「ハリサン」が廉価版として作ったものだが、もうそろそろ20年は使っている。尻の部分が擦り切れているが穴は開いていない。丈夫だ。
僕はドライにした。ドライは、動きにくい拘束衣のようなものだ。そして、ウエイトをたくさんつける。今回もBCに4キロつけたら立つのに苦労した。歩くだけで息が切れた。エントリーとエキジットは、難行苦行の部類に入る。伊達に79歳になっていない。バリアフリーだ。ヨコバマは、施設として、手すりや、ロープが張ってあるが、それでもバリやフリー対策はとっていない。毎度、死ぬかと思う。死なないように体をプールでいじめているし、お台場でもトレーニングしているから、何とかできる。
しかし、水中でのバランスがひどく悪い。ウエイトも2キロオーバーだったから、BCへの空気の出し入れが激しい。つまり、自分が潜っているので精いっぱい状態だ。


 映美のタンクが外れかけている。実は潜っている時には気づかなかった。後で、映像を見て気づいた。外れそうになったまま、かなり長い時間泳いでいる。その映美が浮いた。全体を後ろから見ている約束の石川さんがフォローする。
映美には、海底から自分までの間隔、バディシステムの要点について、もう一度教えておかなくては。もう一度と言ったけど、これまで教えたことがあるのか?お父さんの鶴町が、NAUIのカードを出した。僕はスキンダイビングを仕込んだ。

         往路の緑

緑の方は、大学受験で一年のブランクダイバーだが、プライマリーを受けている。もちろん合格などしないが、前半は身体が立ってしまっていたが、帰りは水平に近くなっていた。
残圧が100になったので、リターンを小久保に指示した。多分彼のタンクは130残っているだろう。空気の早い細田さんは90か100だろう。
エキジットのロープのところで、小久保は、もう少し残るという。本来、このような別れ方は厳禁といつも教えているのだが、実質的に彼はガイドダイバーだ。東大の海洋調査探検部の事実上の監督出し、僕の撮影のほぼアシスタントを20年以上やった、理論天文学の東大教授だ。水中では自己責任[中心] とガイドがフラッシュバックしている。みんなを、エキジットロープにつかまらせれば、後は自分勝手にロープの付近を小物を探すのだろう。
僕らが、器材を背中から降ろして、一息ついているところに戻ってきて、ヤマドリの産卵行動を撮影してきたと言っていた。


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