一歩一歩冬になります。時は過ぎてゆき、街の飾りつけは、クリスマスツリー。そうです12月になりました。一年のうちで一番嫌いな月が、お正月と暮れの12月です。
11月29日、工藤君と書いている潜水士の受験問題集の初校打ち合わせです。
編集のプロ、つまり本を作るプロダクションの山口さんとの打ち合わせは、いつも池袋の芸術劇場です。新しい劇場で、劇場であるだけでなく、お茶を飲んだり、食事をしたり、人と待ち合わせたり、打ち合わせをしたり、良いスペースを提供しようというコンセプトで作られた劇場で、池袋では一番好きなスペースです。
芸術劇場の吹き抜けには、何やら、異様な像が、アンバランスでたっていますから風船のようなものでしょう。
潜水士の規則、改正に揺れています。この時期に本をだすこと、どうかな、と思ったのですが、改正されテキストが変わったら、その部分の補遺をつければ、すむことで、その方がわかりやすいとも考えました。全くの受験本ですが、説明部分は工藤君が頑張ってくれて、現行の潜水士テキストよりもよくできていると思います。
潜水士の制度は、1962年にヘルメット式潜水器を使う潜水の事故防止、減圧症防止のために作られたもので、当時のテキストは、ヘルメットダイビングが中心で、スクーバは、その他の潜水器として分類されていました。月日が流れ、ダイビングが進化するとともにテキストも書き直され版を重ねているのですが、積み重ねたようで、整理がついていないテキストになっています。そして、国家試験である潜水士資格受験を受ける人たちの大半はスクーバダイバーであり、ヘルメット式の実物を触ったこともない人たちなのです。そして、ホースを使って潜水する作業潜水に従事する人たちも、全体の5%もいないのです。
そんな実態に合わせつつ、新しい展開も視野にいれて、今は見ることも触ることも、難しくなってしまっているヘルメットについても理解してもらえるような説明、そして、潜水の基本である物理学、生理学も十分に理解できる、そして、受験勉強は最短距離で合格する。そんな本を目指して、これで2年近く頑張って来ました。いよいよ、その大詰めです。述べたように改正が間近ですが、間近とはいえ、改正の発表されるのが、来年の春でしょう。それからテキストが出て、試験問題が変更になり、そして国家試験が行われるのは、どのくらい先になるでしょうか、あとで触れますが、ヘルメット式はどのように扱われるのでしょうか。多分、来年の夏には間に合わないのではと思います。間に合わせたとすれば、改正される部分は、減圧表の部分だけになるのかと思います。いずれにせよ、潜水士のテキストそのものを書く人、受験問題を作る人よりも、現在のダイビングそのものについては、僕たちの方が先行していますし、現実に即応しています。
とにかく、受験生の多くであるスクーバダイバーを読者に想定して、作られる初めての受験本です。
問題集も充実しています。要するに、「スクーバダイバーが、ヘルメット式のダイビングを含めて、全体像を理解できて、ダイビングの基本理論もよく理解でき、短時間の勉強で試験に通れば、文句ないだろう」というコンセプトです。2月に本屋には並びますが、これから1月にかけて師走は、大変です。大変な気持ちに追い込まないと嫌いな12月1月でめげてしまうのではないか、と、まあ、そんな日々です。
地下鉄東西線から丸ノ内線に行く通路部分、は大手町タワーの吹き抜けになっています。