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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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1122 ウエアラブルカメラ

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 ウエアラブルカメラが流行しつつある。今度また新しい機種が売り出された。これも中国製で20000円を切る。今僕の使っているAEE SD21とほぼ同等の性能だと思う。
ウエアラブルカメラの元祖であるGoProがでたとき、これで、カメラというものの概念が変わるとおもった。そのことは最新ダイビング用語事典に書き、以来、フォーラムでも発表し、JAUSでもウエアラブルカメラ研究会を立ち上げた。
  

    AEEで撮った。少し画角を狭めた設定

    GoProの動画から切り出した静止画、一枚の画ですべてが説明できてしまう。
    

 多分、記録の道具としてのカメラはこのタイプが、全盛のカメラになるだろう。スマホと同じデジカメはほとんどいらなくなる。そのまま発信できるスマホと競り合うには、何か強烈な特性がほしい。何度も書いているから繰り返さないが、人間の視角.と同じ160度、軽量、安価でコストパフォーマンスが良い。160-170度という画角は目に見えるもの、すべてを一枚で記録してしまう。家族の記録、旅行の記録、科学的研究のための記録は、これでいい。そして、もう一つの重要なポイントは、動画と静止画が撮影の上では一緒になったことが挙げられる。動画で撮っていて、コンピューターの上で静止画を切り取ることが、容易に、当たり前にできてしまう。そして、その静止画は、研究発表の印刷物、そしてSNSの画像として使える。今、僕が担当している、全国豊かな海づくり推進協議会の機関紙「豊かな海」の表紙に、GOPROの動画から切り出した静止画を使って見ることにした。まだ、雑誌が出来上がって来ないが、冒険である。もし、成功すれば、今後も使って行こうとおもっている。
それはチャレンジだが、本当に良い写真、良い写真という意味があいまいであるが、本当に自分の表現したいものを追求するには、ウエアラブルカメラでは無理だ。少なくとも陸上では、ウエアラブルカメラは、単なる超広角の小型カメラでしかない。望遠もマクロも、ズームもできない。露出をいじったりしての絵作りもできない。もしも、写真展を開く、写真集を出そうとするならば、このカメラで撮った画は10枚のうちで1枚つかえるかどうかだろう。
それでも、その場の空気を撮影するのには、超広角の超小型カメラは、他の追従をゆるさない。僕は、GOPROが出る前から、170度超広角レンズを使って35mmカメラで撮影していた。
水中では、これはもう広角の世界であり、広角以外のレンズは特別のプロでなければ使いこなせない。そして、さらにガイドダイバーやインストラクター、あるいは作業ダイバー、さらには調査のダイバーでも、消防でも海保でも水中で何かをしようとするダイバーは、大きい一眼のカメラを持ってはいけないし、一眼のファインダーなど覗いてはいけない。バディから目が離れれば致命的な事態も考えられる。バディが危急の場合にはカメラを捨てて助けなければならない。多くのプロのカメラマンダイバーが一人で潜りたがるのはそのためである。撮影することを犠牲にしなければバディシステムは成立しない。大きいカメラを持ちながら、何がレスキューダイバーだ。何かがあってレスキューしなければならないとき、まず、命よりも大事な高価なカメラを捨てなければならない。どうしてもバディで撮影をしたい場合には、ガイドダイバーを雇わなければいけない。僕は何時もそうしてきた。だから、良く仲間と話をしていて、ガイドダイバーについての概念と視点がまったくちがうので驚かれる。カメラマンにとって、ガイドとは自分の目標とする被写体を探してくれる人だ。あるいは、後ろにぴったりとついていて、カメラを数台持つ場合にはそれを持っていて手渡ししてくれる人、だから、当然、大きなカメラを持っているガイドダイバーなどはありえない。ガイドダイバーでもあるカメラマンはおそらくは一人で行動しているだろう。あるいはチームで動くときは、常に一人で撮影をしていて、バディも撮影していて、目のとどくところにいるようにする。
要するに、撮影に専心するプロ級のカメラマンでなければ、大きな一眼はもってはいけない。ウエアラブルカメラは、ガイドダイバーでもインストラクターでも、マスクマウントで持って行くことができる。そして、それは安全のための監視記録にもなる。
だから、水中では、ウエアラブルカメラが絶対であり、絶対に必要なカメラである。
しかし、僕自身も未だ試行錯誤の途上である。一眼は手放せなくて、一眼の上にGoProを載せて両方で撮ったりしている。そして、驚くべきことに、僕の撮影スタイルでは、メインの一眼よりも二階に乗っているウエアラブルカメラの方が使える画になることの方がおおいのだ。
一眼はストロボを光らせて、はじめてウエアラブルカメラよりも良い結果になる。ストロボを光らせて、良い写真を撮るためには、長いアームが必要であり、大きなはさみを振りかざすカニさんのようになる。このカニさんの扱いが神業にならないと、プロのカメラマンとしては落第する。今売出しのカメラマン、鍵井君は、カニさんの扱いが巧みで感心した。つまり、一眼で良い写真を撮るのは、容易なことではない。
現在、プロのカメラマンダイバー、これからプロを目指すダイバーは、頑張れば良い。
今現在でも動画のプロは、ウエアラブルカメラの使い方が巧みでないと、プロとしてやって行けない状況にある。

とにかく、ウエアラブルカメラは、少なくとも水中、あるいは海の上では、必須の道具になった。
陸上でも、記録用、家族の記録用には、このカメラがスタンダードになるだろう。他にアイホンを持っていれば、十分だ。僕はスマホで撮る写真はあまり面白くない。この170度広角が記録としては、良い。

水中の記録用として、僕は、GOPROのHERO2が3台、これが主力である。3のブラックが1台、これはバッテリーの持ちが、2の半分だ。少しばかり小さくするためにバッテリーも小さくしたのだろう。僕のブラックは出たばかりに買ったので、その後で出たブラックはシルバーはバッテリーが持つというのだが、持っていないからわからない。他にGoProは最初の型である9607を2台、他にAEE SD21を1台、あと2台これを追加する。これはスチルでインターバル撮影をする。陸上でポケットに入れておくのも、これが、惜し気が無くて良い。光が十分にある陸上ならば、きれいに撮れる。合計9台を使う。そんなにたくさん、何をするのだ。これから、おいおい結果を発表する予定である。
今度出るカメラも良いみたいだが、機種をそんなに増やすと、それぞれバッテリーがちがったりするので、今のラインアップで良い。

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