学生の部活としてのダイビング 学生のダイビングは、自分が学生だった時から今日に至るまで、自分のライフワークの一つである。 まず、自分が大学3年の1957年に海洋大学、時の東京水産大学に潜水部を創ったこと。2017年に創立60周年を迎えた。 1968年、関東学生潜水連盟が誕生したが、それは、1967年に発足した自分たちの日本潜水会からのスピンアウト(だと自分は思っていた)だったので、初期の講習、技術指導を行った。この技術指導がハードだったために、関東学生潜水連盟の指導もハードになり、後に発生する事故の遠因にあったのではと反省する。 自分とダイビングの関わりは、すべて、事故がその基調になている。つねに最悪の事態を予想している。そのおかげで、自分も生き残り、自分の目前では、死亡事故は起こしていない。しかし、事故とは不条理なもので、自分の関わりの範囲、(自分の会社、関東学生潜水連盟、など)では、死亡事故が起こり、それが、トラウマになっている。自分が現場にいたら? 「最悪の事態を予測していても、一瞬の隙で事故は起きる。」それが、自分の視点である。 一瞬の隙間とは、事故を防止するシステムがない、もしくはそれがその瞬間機能していない。人間関係の隙間、思い上がり、油断などである。それを察知できるのは、空気(雰囲気)であり、かなり抽象的である。それが、具体的な形で見られた時には、即、手を打たないと危ない。多くの場合、手を打たなくても、無事に過ぎるが(事故の確率はそれほど高くないので)事故が起こったときには「やっぱり」と思うし、手を打ったから、無事だったと感じたこともある。 日本水中科学協会のシンポジウムは、安全性の追求が一つの柱になっているが、その具体例として、学生のダイビングを取り上げている。 太字はプログラムから引用 11:20-11:40「学生による 安全なリサーチダイビング手法の追究」東京大学 海洋調査探検部 田村陸 今年、50周年を迎える海洋調査探検部では、現役生(2年生、3年生)が50周年記念講演会で発表すべく、JAUSが波佐間(千葉県館山市)で行っているリサーチ・ダイビング研究会に同道し、独自の安全な海洋調査探検方法を探ってきました。その内容を今回のシンポジウムでも紹介します。 東大海洋調査探検部は、およそ、50年前、その発足時から、アドバイザーをつとめていて、幸いにも無事故で過ごすことができた。しかし、それは幸いにもであり、隙間がなかったわけではない。隙間をなくす具体的な方策として、目標の設定、目標に向かっての計画立案と実施がかんがえられ、その具体例の研究と発表である。 一般の大学、部活のダイビングシステムは、3年生の中頃には部活から退いてしまい、学内OBというかたちになるが、海洋調査探検部は、探検(リサーチ)が目標になっているので、ドクターコースまでが、かかわっていて、大学生が成熟するのは、4年生あたりからであるから、システムとして安全性が高い。 発表は3年生の田村君である。 11:40-12:00「海洋大学潜水部の活動と、館山坂田内湾の海について」東京海洋大学 潜水部 佐藤新 昨年、60周年を迎えた東京海洋大学潜水部は、学生が安全にダイビングを行うこと、フィールドである館山坂田内湾を継続してリサーチ・ダイビングする可能性についてなどを紹介します。 発表者の佐藤新君は3年生です。 なぜ、リサーチ・ダイビングが、学生のダイビング活動にふさわしいかというと、リサーチ・ダイビングでは、目標設定が必須、そして、記録することが、必須。その上に、うまくすれば、研究活動につなげることができる。プロの研究者にならなくても、アマチュアのダイバーでプロ級の人がたくさんいる。そういう人たちの集まりとしての側面を日本水中科学協会は目指してもいるのだが、道は遠い。
学生の部活としてのダイビング 学生のダイビングは、自分が学生だった時から今日に至るまで、自分のライフワークの一つである。 まず、自分が大学3年の1957年に海洋大学、時の東京水産大学に潜水部を創ったこと。2017年に創立60周年を迎えた。 1968年、関東学生潜水連盟が誕生したが、それは、1967年に発足した自分たちの日本潜水会からのスピンアウト(だと自分は思っていた)だったので、初期の講習、技術指導を行った。この技術指導がハードだったために、関東学生潜水連盟の指導もハードになり、後に発生する事故の遠因にあったのではと反省する。 自分とダイビングの関わりは、すべて、事故がその基調になている。つねに最悪の事態を予想している。そのおかげで、自分も生き残り、自分の目前では、死亡事故は起こしていない。しかし、事故とは不条理なもので、自分の関わりの範囲、(自分の会社、関東学生潜水連盟、など)では、死亡事故が起こり、それが、トラウマになっている。自分が現場にいたら? 「最悪の事態を予測していても、一瞬の隙で事故は起きる。」それが、自分の視点である。 一瞬の隙間とは、事故を防止するシステムがない、もしくはそれがその瞬間機能していない。人間関係の隙間、思い上がり、油断などである。それを察知できるのは、空気(雰囲気)であり、かなり抽象的である。それが、具体的な形で見られた時には、即、手を打たないと危ない。多くの場合、手を打たなくても、無事に過ぎるが(事故の確率はそれほど高くないので)事故が起こったときには「やっぱり」と思うし、手を打ったから、無事だったと感じたこともある。 日本水中科学協会のシンポジウムは、安全性の追求が一つの柱になっているが、その具体例として、学生のダイビングを取り上げている。 太字はプログラムから引用 11:20-11:40「学生による 安全なリサーチダイビング手法の追究」東京大学 海洋調査探検部 田村陸 今年、50周年を迎える海洋調査探検部では、現役生(2年生、3年生)が50周年記念講演会で発表すべく、JAUSが波佐間(千葉県館山市)で行っているリサーチ・ダイビング研究会に同道し、独自の安全な海洋調査探検方法を探ってきました。その内容を今回のシンポジウムでも紹介します。 東大海洋調査探検部は、およそ、50年前、その発足時から、アドバイザーをつとめていて、幸いにも無事故で過ごすことができた。しかし、それは幸いにもであり、隙間がなかったわけではない。隙間をなくす具体的な方策として、目標の設定、目標に向かっての計画立案と実施がかんがえられ、その具体例の研究と発表である。 一般の大学、部活のダイビングシステムは、3年生の中頃には部活から退いてしまい、学内OBというかたちになるが、海洋調査探検部は、探検(リサーチ)が目標になっているので、ドクターコースまでが、かかわっていて、大学生が成熟するのは、4年生あたりからであるから、システムとして安全性が高い。 発表は3年生の田村君である。 11:40-12:00「海洋大学潜水部の活動と、館山坂田内湾の海について」東京海洋大学 潜水部 佐藤新 昨年、60周年を迎えた東京海洋大学潜水部は、学生が安全にダイビングを行うこと、フィールドである館山坂田内湾を継続してリサーチ・ダイビングする可能性についてなどを紹介します。 発表者の佐藤新君は3年生です。 なぜ、リサーチ・ダイビングが、学生のダイビング活動にふさわしいかというと、リサーチ・ダイビングでは、目標設定が必須、そして、記録することが、必須。その上に、うまくすれば、研究活動につなげることができる。プロの研究者にならなくても、アマチュアのダイバーでプロ級の人がたくさんいる。そういう人たちの集まりとしての側面を日本水中科学協会は目指してもいるのだが、道は遠い。