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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0927 スキンダイビング-2

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 安全確保というタイトルがあると、必ず、安全のための講習、指導者つくり、卒業認定証という流れになる。スキンダイビング、フリーダイビング、そしてスノーケリングもその例に入る。スキンダイビングについては、随分前だったが、NAUIがテキストをつくり、講習を企画した。ビジネスにならない。率にならないということで、発展しないでいる。テキストは持っている。PADIにいては、手元に資料がない。JPを中心とした、スキンダイビング連盟があり、現在スキンダイビングでの活動をしている人たちの多くが加入している。カード発行としてどの程度の実情なのかしらない。 社会スポーツセンターでは、スノーケリング協会を発足させ、全国に支部展開しようと努力を重ねている。このスノーケリング連盟は、ベストをつけての水面遊泳を旨としている。社会スポーツセンターの元常務理事であり、現在名誉顧問である自分としては、当然関わっているが、自分としては、水面遊泳のスノーケリングには資格はいらない。ベストを脱ぎ捨てて、スキンダイビングを行うときには、何らかの資格カードが会っても良いという主張であった。しかし、それにしても、スキンダイビングをするのに資格が必須とすることは難しい。資格を作っても、それに基づいた安全管理を徹底させることがほぼ不可能であり、安全管理を徹底できないとすれば、資格を与えた責任はとれない。カード保持者については、何らかの責任を負うことになる。 海水浴場の中で行われている、水面遊泳 スノーケリングは、ベストを着けない海水浴よりも安全である。海水浴には資格が必要ではなく、より安全と思われるスノーケリングに資格があるというのは納得しがたいだろう。 社会スポーツセンターの常務理事当時、こういう提案をしたことがある。 フィン、マスク、スノーケルを使うスノーケリングすべてにライフベストを付けてもらうために、無料に近い、短期間、(講義だけでもよい)指導者講習会を開催して、指導者をつくる。とにかくできるだけ多数作る。ベストを着ける必要を説明するだけのインストラクターである。そして、公認のベストを頒布すれば、ビジネスとしても十分に成立する。 これが成功した火どうか、今となっては、成功しなかったと思っている。 海水浴、あるいはヒリゾのスキンダイビングのような、不特定多数の人が、季節限定で遊ぶ、年に数回の家族サービスのような行動に、資格のわくをはめるのは不可能である。 レスキュー要員の配置、努力を注ぎ、その時点での結果を受け止めて、少しでも安全の向上に舵を向ける他ない。発生した事故は、ガイド、インストラクターが同伴しているツアーは別として、自己責任である。 最近沖縄で発生した事故は、ツアーに参加したことに拠って、安全が確保されているものと思っている状況で起こったことであるから、当然、管理者側に責任がある。自己責任であるとともに、安全をお金で買う遊びなのだ。  僕の結論は、教育の場では、中学生以上であれば、スキンダイビングを教え、小学生であれば、親とバディでなければ、教えない。海での行動は、自分の責任、小学生であれば親の責任でスノーケリング(水面遊泳)とスキンダイビングを随時選択する。 現在進行中のスノーケリング教室の参加者に次のようなペーパーを配った。僕の現時点での結論でもある。  スノーケリングとその安全について         浦安市営プーるスポーツ事業                            文責須賀次郎息をこらえて潜る。潜ってアワビやサザエをとる海女さんの漁があります。普通には素潜り漁と呼ばれています。そしてスポーツ、遊びとして潜る。スポーツで潜ることを最近では、スノーケリング、スキンダイビング、フリーダイビングと三つに分けます。 フリーダイビングとは、元来人間の身体は30mぐらいまでしか潜れないものなのですが、特別な訓練と、素質、才能によって、競技では、チャンピオンクラスでは100mを越して潜ります。スキンダイビングは、人間が生理的に無理なく潜れる深度、これも訓練、個人差に拠って異なりますが、20m程度までを潜ります。 人間の身体は2mを越して潜ると、鼓膜が水圧で押されて耳が痛くなります。我慢して潜ると、鼓膜が破れてしまいます。鼻の奥の方と、鼓膜の内側、中耳とを繋いでいる細い通路、耳管(ユースタキー氏管)があり、鼻を摘んで息を吐き出すようにすると、空気が鼓膜の中に送られて、痛みが無くなります。これを耳抜きと言いますが、練習が必要です。中には、耳管が細くて抜けにくい人もいます。 そんな無理をしないで、3mぐらいまでを楽しく潜ろう。3m潜れば海の中を十分に楽しむことができます。つまり無理をしないスキンダイビングをスノーケリングとよんでいました。この講習がはじまった15年前ぐらいまでは、スノーケリングといえば無理をしないスキンダイビングだと考えられていました。 しかし、スキンダイビングでも、フィン、マスク、スノーケルを付けて行動半径が広がれば、十分に危険です。訓練もしないで、フィン、マスク、スノーケルを付けて泳ぎ、溺死する人がいます。海水浴の危険と同じ事なのですが、フィン、マスク、スノーケルを付けていると、スノーケリングの事故と呼ばれます。 一方で現代の社会では、海で溺死すると、関係者の責任が求められます。学校教育の場から臨海学校が消滅したのはそのためです。海水浴でも、ボート遊びでも、現在は救命胴衣の着用が求められます。救命胴衣を付けたスキンダイビングが生まれます。 救命胴衣には、飛行機に積んであるような息で膨らますものと、浮力材で作られて、常に浮いているものとがあります。安全性が高いのは、浮力材で作られたものです。これを付けて、フィン、マスク、スノーケルで泳ぐことがスノーケリングと呼ばれるようになりました。浮力体ですから、当然、潜ることはできません。潜らない水面遊泳で、フィン、マスク、スノーケルで水中を覗き込む、観察することがスノーケリングです。
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 ここで、教えているのは、無理しないで潜る、昔のスタイルのスノーケリングです。しかし、安全の確保には、スノーケリングジャケットが必要です。海では、スノーケリングジャケットを着けてください。 しかし、子供は、大人でもそうなのですが、ジャケットを脱いで、潜りたくなります。それは、それぞれの能力、泳ぐ力によってですから、当然、個人の責任になります。 安全が確認された、浅い、水深2m以下の、プールのような条件の海で、浮力体、(スノーケリングジャケット、浮き輪)、を浮かせてその周囲で遊びましょう。浮き輪のようなものは、すり抜けて落ちるから危険とされています。泳げない子が浮き輪につかまって泳ぐのはほんとうに危険です。ここで教えているスノーケリングは、何時でも浮き輪に掴まれるような泳力、能力だとおもってください。それでも、スノーケリングジャケットは、お母さん、お父さんは必ず着けて遊んでください。言うまでも無いことですが、ここで教えられたからと言って、安全を保証するものではありません。  さて、安全のために大事なことは、バディシステムです。絶対に子供から、(大人のバディでも同じですが、)目を離さないでください。この講習会では、口をすっぱくして、しつこくバディを要求しています。それでも、第一日目、最後にバディを確認してプールからでたら、子供が一人でプールに残っていました。目を離さないで、見ていたのですが、お母さんが気付いたのはかなり時間が経ってからでした。十分に溺れる事ができる時間です。 子供が溺れるのに必要な時間は4秒、水を飲んで、救急車で運ばれるようになるまでが40秒、助からないかもしれなくなるのが4分です。4の並びで覚えてください。 お話したように、この講習会で身につけてもらうことは、二つ、①バディシステムの習慣、②マスク・クリアー (水に慣れること)泳ぐことはとても楽しいので、ブレーキをかけています。子供は泳がせないことに苦労します。同時に泳ぐパワーも解放させてやりたい。泳ぐ力が命を確保する事態もありますから。

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