M値のことを解決しないと寝覚めが悪い。
まずこれまでの前提と経過を説明しよう。
①ダイバーが潜り、水圧がかかると、不活性ガスの分圧も高くなり、ヘンリーの溶解の法則で、液体と接する気体の分圧が高くなればそれに比例して、ガスが血液に溶け込む。
②血液に溶け込んだ不活性ガスは血流で組織に運ばれて、組織にも溶けこんで、組織の不活性ガス分圧も高くなる。
③圧力と時間の経過で、次第に溶解分圧が高くなる。飽和に達するとそれ以上は溶けこまないから、安定する。
なお、気体の液体への溶解は指数関数的で、半分溶ける時間が5分だったとすると、次の5分では半分の半分、次の5分では、半分の半分の半分がとける。これを6回繰り返すと飽和に達する。
体内の組織は、不活性ガスの溶け込み方に大きな差があり、規則で採用しているビュールマンの理論式では、5分から635分まで16通りの組織を想定している。この16通りのそれそれを、半飽和時間(5-635)のソレソレの時間で呼ぶ、例えば10分の半飽和組織とか。
④ダイバーが浮上にかかると溶解していた不活性ガスが血液に溶け出して、排出されるが、それも、ある時間がかかり、組織内の分圧がよほど高くなると、気泡になって排出されるために、その気泡の量が多くなると減圧症が発症する。
⑤飽和値よりも、溶解分圧がどのくらい高ければ、気泡化が起こらないか、その最高許容分圧をM値と呼ぶ。
⑥だから、減圧は、各それぞれの半飽和組織が、M値を越えないようにしながら浮上する。
さて、そのM値がが、分圧であるから、フィートあるいはメートルで表現される。例えばM値が27mだったならば、その組織は27mまでは無減圧で潜れる。この表現が、間違いではないのだが、勘違いの基であった。
この間違いを旧友である唐沢さんに指摘されて、それでは、M値とはなんだとこんらんしてしまった。
そして、、そのM値を算出する計算式が出てきた。その計算式の意味を考えたりした。これが、第二の誤りにつながった。
計算式については、どの記号が何を意味するか知ることは受験対策としては必要で、それをかんがえてしまった。
M値というのは、各半飽和組織、それぞれによって、水深に応じた数値がすでに計算されていて、これが、減圧表の理論式の基である。下に各半飽和組織の水深とM値の相関グラフをしめす。
なおこれらのグラフと表は、池田先生のシンポジウムの講演のPPである。その講演をきいても、よくわからなかった。
M値は、各半飽和組織ごとに水深に応じて定まっている。グラフのセロメートルのところにも、M値が定められている。
M値とは、各水深での最大許容水深なのだ。この表は米国海軍の減圧表で6つの半飽和時間(あるいは半減時間、あるいは組織コンパートメント)で示されている。
水深ゼロ(水面での)での各半飽和組織のM値はそれぞれ、5分の104フィート、120分の51フィートと決まっている。120分の組織は、51フィートまでは、なんの問題も起こらない。5分の組織は104フィートまで大丈夫だが、半飽和時間が短いから、すぐにM値にたっしてしまう。
表のように、20フィートまで浮いてきた時のM値は、10フィートのM値よりも分圧が高い組織が三つある。これが、10フィートのM値までそれぞれが下がらなくては10フィートに浮上出来ない。
同様に10フィートの組織内不活性ガス分圧は、10フィートのM値よりは低いが、水面のM値よりは大きい、水面のM値まで下がらなければ、水面に浮上出来ない。
まとめて言うと、M値とは、各半飽和組織毎に、各水深で定まっていて、組織内不活性ガス分圧は、各水深でのM値以下でなければならない。
M値が51フィートであるということは、その組織は51フィートまで減圧なしで潜れるということにまちがいはないのだが、その51フィートのM値は、水深ゼロメートルでのM値であり、潜った51フィートのM値ではない。
潜水すれば、当然、30フィートに潜れば30フィートのM値が定まり、身体にとけている不活性ガス分圧はそれぞれの組織のそれぞれのM値まで許容される。しかし、20フィートに浮上するためには、それぞれの組織が20フィートのM値にならなければならず、20フィートの各組織のM値は20フィートではない。水深ゼロメートルのM値はゼロではない。
まずこれまでの前提と経過を説明しよう。
①ダイバーが潜り、水圧がかかると、不活性ガスの分圧も高くなり、ヘンリーの溶解の法則で、液体と接する気体の分圧が高くなればそれに比例して、ガスが血液に溶け込む。
②血液に溶け込んだ不活性ガスは血流で組織に運ばれて、組織にも溶けこんで、組織の不活性ガス分圧も高くなる。
③圧力と時間の経過で、次第に溶解分圧が高くなる。飽和に達するとそれ以上は溶けこまないから、安定する。
なお、気体の液体への溶解は指数関数的で、半分溶ける時間が5分だったとすると、次の5分では半分の半分、次の5分では、半分の半分の半分がとける。これを6回繰り返すと飽和に達する。
体内の組織は、不活性ガスの溶け込み方に大きな差があり、規則で採用しているビュールマンの理論式では、5分から635分まで16通りの組織を想定している。この16通りのそれそれを、半飽和時間(5-635)のソレソレの時間で呼ぶ、例えば10分の半飽和組織とか。
④ダイバーが浮上にかかると溶解していた不活性ガスが血液に溶け出して、排出されるが、それも、ある時間がかかり、組織内の分圧がよほど高くなると、気泡になって排出されるために、その気泡の量が多くなると減圧症が発症する。
⑤飽和値よりも、溶解分圧がどのくらい高ければ、気泡化が起こらないか、その最高許容分圧をM値と呼ぶ。
⑥だから、減圧は、各それぞれの半飽和組織が、M値を越えないようにしながら浮上する。
さて、そのM値がが、分圧であるから、フィートあるいはメートルで表現される。例えばM値が27mだったならば、その組織は27mまでは無減圧で潜れる。この表現が、間違いではないのだが、勘違いの基であった。
この間違いを旧友である唐沢さんに指摘されて、それでは、M値とはなんだとこんらんしてしまった。
そして、、そのM値を算出する計算式が出てきた。その計算式の意味を考えたりした。これが、第二の誤りにつながった。
計算式については、どの記号が何を意味するか知ることは受験対策としては必要で、それをかんがえてしまった。
M値というのは、各半飽和組織、それぞれによって、水深に応じた数値がすでに計算されていて、これが、減圧表の理論式の基である。下に各半飽和組織の水深とM値の相関グラフをしめす。
なおこれらのグラフと表は、池田先生のシンポジウムの講演のPPである。その講演をきいても、よくわからなかった。
M値は、各半飽和組織ごとに水深に応じて定まっている。グラフのセロメートルのところにも、M値が定められている。
M値とは、各水深での最大許容水深なのだ。この表は米国海軍の減圧表で6つの半飽和時間(あるいは半減時間、あるいは組織コンパートメント)で示されている。
水深ゼロ(水面での)での各半飽和組織のM値はそれぞれ、5分の104フィート、120分の51フィートと決まっている。120分の組織は、51フィートまでは、なんの問題も起こらない。5分の組織は104フィートまで大丈夫だが、半飽和時間が短いから、すぐにM値にたっしてしまう。
表のように、20フィートまで浮いてきた時のM値は、10フィートのM値よりも分圧が高い組織が三つある。これが、10フィートのM値までそれぞれが下がらなくては10フィートに浮上出来ない。
同様に10フィートの組織内不活性ガス分圧は、10フィートのM値よりは低いが、水面のM値よりは大きい、水面のM値まで下がらなければ、水面に浮上出来ない。
まとめて言うと、M値とは、各半飽和組織毎に、各水深で定まっていて、組織内不活性ガス分圧は、各水深でのM値以下でなければならない。
M値が51フィートであるということは、その組織は51フィートまで減圧なしで潜れるということにまちがいはないのだが、その51フィートのM値は、水深ゼロメートルでのM値であり、潜った51フィートのM値ではない。
潜水すれば、当然、30フィートに潜れば30フィートのM値が定まり、身体にとけている不活性ガス分圧はそれぞれの組織のそれぞれのM値まで許容される。しかし、20フィートに浮上するためには、それぞれの組織が20フィートのM値にならなければならず、20フィートの各組織のM値は20フィートではない。水深ゼロメートルのM値はゼロではない。