ダイバーが潜水すると、16通りの組織がそれぞれ窒素を溶けこませていく、5分のコンパートメントは、5分、6回のくりかえし、30分で飽和に達する。浮上しはじめると圧力が下がる。圧力が下がると、飽和量も少なくなる。すなわち溶けこむことのできる分圧も下がる。この分圧の差を圧力勾配と呼び、この勾配に従って、ガスが排出されていく。この勾配は浮上速度であり、あまり急にするとブレーキが効かなくなり、終点の水面の壁に激突して、クラッシュしてしまう。ゆっくりゆっくりの勾配にするか、階段を降りるようにする。階段にするのがほとんどの減圧表であり、立ち止まって息をついで、ガスを放出して、次の段に進む。最近の米国海軍の減圧表は、階段をやめてしまって、転げ落ちない緩やかな勾配のスロープにしてしまった。車いすの登りの区間が長いように、楽にはなったが、時間が長くなった。長らく、米国海軍の減圧表は、僕たちの潜水の指標だったが、今度の改正で指標にならなくなった。今後の成り行きで、すべての減圧表が階段をやめて、スロープにするかどうかはわからない。
潜降索による浮上
さて、いよいよ、M値なのだが、溶け込んだ不活性ガスの放出は、ある程度の過飽和、坂を登らないと、水面に上がれない。飽和は平坦で安定している。飽和量(分圧)以上に溶け込んでいる過飽和(上り坂)にしないと登って行かれない。過飽和になりすぎると、気泡化、すなわち減圧症になる。飽和状態を越して、減圧症にはならない許容量をM値 マキシマムバリュー 最大許容量(不活性ガスの分圧)と呼ぶ。
M値とは、潜水病にならない程度に過飽和になっている最大許容量である。
最新ダイビング用語事典では
「M値とは、それ以上窒素が溶け込んだら、減圧停止が必要になる限界値をいう。M値はそれぞれの組織の半飽和時間で決まる。
M値を表す圧力数値は、無減圧潜水限界の窒素許容圧を潜水の相当深度で表している。
組織半飽和時間が短いほど、M値は深くなり、組織半飽和時間が長いほど、M値は深くなる。例えば、組織半飽和時間が5分の組織のM値は27mであり、27mとは、27mで飽和する窒素圧を意味する。つまり、27mを越えなければ、組織半飽和時間5分の組織は減圧停止が必要な限界を越えることがない。M値が浅い、つまり半飽和時間が長い組織でM値が3mであったとすれば、5mでも窒素を吸収している、ただし、溶けこむのが遅いから、ある程度の時間を越えなければ、限度をこえない。しかし溶け出すのも遅いから、長い減圧停止が要求される。これまで水深10mを超えなければ減圧症にはならないとしていたが、M値が5mであれば、5mから減圧症が発生する可能性がある。」
[M値27mとは、27mで飽和する窒素圧を意味する。つまり、27mを越えなければ、組織半飽和時間5分の組織は減圧停止が必要な限界を越えることがない。」
潜水士テキストでは、「過飽和もある圧力以内では減圧症には罹患しない。その減圧症に罹患しない最大の不結成分圧をM値という」
M値27mとは、「27mまで潜れる」という認識になっていた。いま50mまで潜っていて、そのM値が27mまで潜れる、とはどういうことなのだ。しかし、そこにヒントがあった。「潜れる」とは潜降とは限らない。「27mまで浮上できる」といえば一切が理解できる。
潜水して時間が経過すると、すべての組織がそれぞれのM値、つまり、浮上できる水深、すなわち天井ができる。26の組織それぞれが天井の高さがちがうが、そのどの天井も突き抜けることができない。一番低い天井、M値で、浮上が制限される。その天井まで浮上して、しばらく停止していれば、天井が上がるので、そこまで浮上できる。ダイバーは、常に、天井を持っていて、それが時々刻々変化している。16通りの天井で、一番低い天井で浮上が止められる。
これをまとめて、
・「M値 (Maximum allowable value)
潜水して、時間が経過すると溶け込んだ不活性ガスが、飽和状態になります。半飽和時間の短い組織は早く飽和に達します。
飽和状態はもはや溶けこむこともなく溶け出す(排出)こともなく安定した状態です。それが浮上して圧力が下がると不安定になり、溶け出すのですが、溶け出すのが間に合わないほど早く減圧(浮上)すると気泡化してしまうのです。気泡化しないで、徐々に溶け出している過飽和の限界の値がM値(最大許容値)です。エムチと呼びます。
半飽和時間が短いほどM値は深くなり、半飽和時間が長いほどM値は浅くなります。例えば40mに潜水して、半飽和時間が5分の組織で、その時のM値が27mとすると、その組織は、27mが、その状態で浮上できる限界、つまり天井になるのです。半飽和時間が5分より長くなると、M値は27mより浅くなり、たとえば15mになります。M値を越えるまでの時間は長くなりますが(長く無減圧の範囲にある)溶け出すのも長い時間かかるのです。
M値が27mならば、27mまで浮上して、天井(M値)が12mまで上がるのを待って12mに浮上して、次に9m,6m.最後に3m,そして水面へと浮上することになります。すべての組織のM値がゼロmになれば、浮上できるのです。0mであっても、減圧症にならない程度の余分な窒素は溶解しています。航空機に乗るまで14時間の間を置かなくてはならない理由は,浅い組織に限度を超えないM値0mの窒素を貯めこんでいて、それが飛行機で更に減圧されて、マイナスになることで許容限界を超えてしまうという理由です。」 未定稿です。
すなわち、16通りの組織がそれぞれ、天井、浮上できる限界の深度であるM値持っていて、それが時々刻々変化しているわけです。すべての組織のM値がゼロであれば、停止は必要ありません。M値が深い、半飽和時間が短い組織は、深く潜ると短い時間で、浮上できる限界(天井)であるM値が出現します。しかし、放出される時間も短いので、最下段で停止する時間も短く、次々とM値の階段を登って、最後の3mで半飽和時間の長い組織を長い時間をかけて解消して水面に戻ることができます。
半飽和時間の長い組織は、浅い水深で限界を超えてしまうのですが、越えるまでの時間は長く、溶け出すにも長い時間がかかるということです
潜降索による浮上
さて、いよいよ、M値なのだが、溶け込んだ不活性ガスの放出は、ある程度の過飽和、坂を登らないと、水面に上がれない。飽和は平坦で安定している。飽和量(分圧)以上に溶け込んでいる過飽和(上り坂)にしないと登って行かれない。過飽和になりすぎると、気泡化、すなわち減圧症になる。飽和状態を越して、減圧症にはならない許容量をM値 マキシマムバリュー 最大許容量(不活性ガスの分圧)と呼ぶ。
M値とは、潜水病にならない程度に過飽和になっている最大許容量である。
最新ダイビング用語事典では
「M値とは、それ以上窒素が溶け込んだら、減圧停止が必要になる限界値をいう。M値はそれぞれの組織の半飽和時間で決まる。
M値を表す圧力数値は、無減圧潜水限界の窒素許容圧を潜水の相当深度で表している。
組織半飽和時間が短いほど、M値は深くなり、組織半飽和時間が長いほど、M値は深くなる。例えば、組織半飽和時間が5分の組織のM値は27mであり、27mとは、27mで飽和する窒素圧を意味する。つまり、27mを越えなければ、組織半飽和時間5分の組織は減圧停止が必要な限界を越えることがない。M値が浅い、つまり半飽和時間が長い組織でM値が3mであったとすれば、5mでも窒素を吸収している、ただし、溶けこむのが遅いから、ある程度の時間を越えなければ、限度をこえない。しかし溶け出すのも遅いから、長い減圧停止が要求される。これまで水深10mを超えなければ減圧症にはならないとしていたが、M値が5mであれば、5mから減圧症が発生する可能性がある。」
[M値27mとは、27mで飽和する窒素圧を意味する。つまり、27mを越えなければ、組織半飽和時間5分の組織は減圧停止が必要な限界を越えることがない。」
潜水士テキストでは、「過飽和もある圧力以内では減圧症には罹患しない。その減圧症に罹患しない最大の不結成分圧をM値という」
M値27mとは、「27mまで潜れる」という認識になっていた。いま50mまで潜っていて、そのM値が27mまで潜れる、とはどういうことなのだ。しかし、そこにヒントがあった。「潜れる」とは潜降とは限らない。「27mまで浮上できる」といえば一切が理解できる。
潜水して時間が経過すると、すべての組織がそれぞれのM値、つまり、浮上できる水深、すなわち天井ができる。26の組織それぞれが天井の高さがちがうが、そのどの天井も突き抜けることができない。一番低い天井、M値で、浮上が制限される。その天井まで浮上して、しばらく停止していれば、天井が上がるので、そこまで浮上できる。ダイバーは、常に、天井を持っていて、それが時々刻々変化している。16通りの天井で、一番低い天井で浮上が止められる。
これをまとめて、
・「M値 (Maximum allowable value)
潜水して、時間が経過すると溶け込んだ不活性ガスが、飽和状態になります。半飽和時間の短い組織は早く飽和に達します。
飽和状態はもはや溶けこむこともなく溶け出す(排出)こともなく安定した状態です。それが浮上して圧力が下がると不安定になり、溶け出すのですが、溶け出すのが間に合わないほど早く減圧(浮上)すると気泡化してしまうのです。気泡化しないで、徐々に溶け出している過飽和の限界の値がM値(最大許容値)です。エムチと呼びます。
半飽和時間が短いほどM値は深くなり、半飽和時間が長いほどM値は浅くなります。例えば40mに潜水して、半飽和時間が5分の組織で、その時のM値が27mとすると、その組織は、27mが、その状態で浮上できる限界、つまり天井になるのです。半飽和時間が5分より長くなると、M値は27mより浅くなり、たとえば15mになります。M値を越えるまでの時間は長くなりますが(長く無減圧の範囲にある)溶け出すのも長い時間かかるのです。
M値が27mならば、27mまで浮上して、天井(M値)が12mまで上がるのを待って12mに浮上して、次に9m,6m.最後に3m,そして水面へと浮上することになります。すべての組織のM値がゼロmになれば、浮上できるのです。0mであっても、減圧症にならない程度の余分な窒素は溶解しています。航空機に乗るまで14時間の間を置かなくてはならない理由は,浅い組織に限度を超えないM値0mの窒素を貯めこんでいて、それが飛行機で更に減圧されて、マイナスになることで許容限界を超えてしまうという理由です。」 未定稿です。
すなわち、16通りの組織がそれぞれ、天井、浮上できる限界の深度であるM値持っていて、それが時々刻々変化しているわけです。すべての組織のM値がゼロであれば、停止は必要ありません。M値が深い、半飽和時間が短い組織は、深く潜ると短い時間で、浮上できる限界(天井)であるM値が出現します。しかし、放出される時間も短いので、最下段で停止する時間も短く、次々とM値の階段を登って、最後の3mで半飽和時間の長い組織を長い時間をかけて解消して水面に戻ることができます。
半飽和時間の長い組織は、浅い水深で限界を超えてしまうのですが、越えるまでの時間は長く、溶け出すにも長い時間がかかるということです