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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0619 潜水士

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  一つのことに集中していると他のことがまるでできない。集中しているといっても常に進行しているわけではなくて、頭のなかにいつもそのことが詰まって考えていて、考えるだけで、キーボードを打つ手には伝わらなくて、行ったり来たりしている。
 潜水士の受験本の書き直しで、その状態にある。後3日で締め切りで、あと四分の一で、一回目の見直し終了、三回見直すつもりだったけれど、二回で終わるだろう。
 本を書くという作業そのことを考えるということだ。
 
 潜水士の減圧表を作成する理論式が今度の改正で規則になった。改正前は減圧表そのものが規則になっていて、50年の間、変えられないでいた。50年前から今日までの間、ずいぶん多くのダイバーがこの表のために減圧症にならないで済んだ、と思うことにしているが、本当にそうだろうか。この減圧表で潜ったことがあるだろうか?受験準備の講師をしていたから、ずいぶんと説明した。受験本も書いた。しかし、これを使って潜った記憶がない。

 理論式になった方が自由度があるということもできる。今度採用されたビュールマンの式は、ダイブコンピューターにも多く採用されているから、ダイブコンピューターを使えば良いわけだ。
 ところが、そのダイブコンピューターについての潜水士テキストの立場は、ダイブコンピューターというものは結果の記録の道具であり、計画には役立たない。だから、参考程度であり、減圧表による計画を作らなくてはいけない。計画書を作り、その結果も書き込んで、その記録を5年間残しておかなくてはいけないことになっている。この規則にレジャーダイビングのインストラクターもガイドダイバーも縛られるのだ。計画が全てだ。無計画にダイブコンピューターに頼ることの結果が、減圧症多発につながる、ということも言えないこともない。事故が起これば、必ず計画書不在が問われる。まあ、一般お客もログをつけるのだから、インストラクターも報告書を必ず作っておくということも、悪いことではない。否定はできない。各指導団体も、インストラクター用のログを作って利益を上げることもできないこともない。一段落したら、工藤くんとそんなログのひな形でもつくろうか。彼は、こういうの作る趣味があるようだから。
 
 

 この計算式で計算できなくてもよいから、いくつかある計算式の相関関係だけでも図にしてもらえると、形になるのだが。

 ダイバーは全員、国家試験ということは、全員ということなのだが、一般ダイバーのほぼ全員が、この式について、わからない。テキストが説明しなくてもよいということは、試験にもでない。つまり、全員がわからなくても良いということだろうが、参考書を書く方は、そうは行かない。多分、買って呼んでくれる人は、テキストでわからない、テキストで説明が充分ではないので、参考書を買うのだろうから、わからせなくてはいけないのだが、僕よりもはるかに多忙な工藤くんの尻をたたいている。
 最終的には、潜水士テキストと同じように、この部分の説明をすっぱり諦めることになるのだろうか。
 他の部分もあるので、この部分で停滞しているわけにも行かない。

 ただ、この仕事が勉強になっていることは確かだ。たしかだけど、80歳になって、勉強を続けることは効率が悪い。

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