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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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1127 1986年

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  「オリバー・ストーンのもう一つのアメリカ」、ブッシュが泥沼のイラクにはまり込んで行くところを読んでいる。あと150Pほどで、全3巻を読み終わる。ちょっと、今はつらくなっているが、なんとか読み終えるだろう。
歴史とは、書く人の意見書みたいなものだが、この本は、もともとロシア寄りで、アメリカの大統領こき下ろしの小説のようなものだが、なるほどとは思う。めちゃくちゃにほめているのはゴルバチョフだ。
 この本を読んでいて、今の日本を思うと、これはもう悲しくなるばかり、しかし、1986年の日記を読んでみると、中曽根総理大臣をニュース・ステーションで糾弾して、潮美にまで、意見を聞きに来て、自宅で撮影している。潮美は洗い場でなぜかブーツをタワシでこすりながらコメントしていた。
 佐藤、中曽根、安倍、同じような顔をしている。日本の総理大臣の顔だ。安倍総理大臣も、総理大臣の顔になってしまった。それにしても、公明もみんなの党もだらしなかった。連立の中で制御してゆくという、公明党への期待は見事に裏切られた。少数派の野党は、とにかく反対することに命運をかけなければ、事実上吸収されてしまうのが政治の力学だ。細かい修正なんて後でなんとでもなってしまう。聞けば、渡辺さんは、安倍総理大臣のポン友だって。ということで、後期高齢ダイバーである僕は、「メディア関係は命を賭け、血を流さないとだめだなあ、」昔のニュース・ステーションだったら、どうしただろう。などと思うばかりだ。もちろん、一票を投じるとなれば、反対票だ。民主主義はそれしかない。この前の参院選、本当に日本国民は、民主党に輪をかけてアホだった。

 でも、古い日記は本当に面白い。

1986年、8月16日
※ニュース・ステーションで、僕たちは三宅島のモイヤーさんの話で、視聴率6%の惨敗を喫している。

 私が企画書を書いたところがどうなるものでもないと投げやりになってしまうが、シリーズの原点は私の企画書でうまくいっていた。もういちど遠慮しないでやるだけのことはやらなくては、自分たちのシリーズなのだから、やらなくては、と、次の三陸ロケの企画を書こうとワープロに向かった。三陸と言ったら、三陸大津波を忘れるわけには行かない。神田に行き、中公文庫「三陸海岸大津波」吉村昭著を買ってきた。
昭和8年の大津波、明治29年の大津波は確かに悲惨だったが、その後の防潮堤の建設、避難訓練の徹底によって、チリ津波では死者を最小限にとどめている、そして、なお防潮堤の建設は続いている。
それに引き替え、私たちの東京湾沿岸は、LNG基地、そしてオイルタンカー、LNGタンカーの衝突の危険性を大きくする横断橋の建設、もし大地震が来たらどうなるのだろう。自然の災害は来ないもの、人災は起きないものと仮定しても、恐ろしい無制限な開発が続いている。
おそらく、東京大災害の後、東京は良い都市になるだろう。一極集中人口の減少、大災害の反省に立った安全重視の都市計画が行われるだろう。そこでは、自然と人間の調和も大事にされるだろう。
そのための人柱に私も、私の子供たちもならなくてはならないのだろうか。
 そんなコンセプトがテレビに受け入れられるはずとてないが、とにかく書くつもりでいる。書いておこう。

今度出す龍泉洞の原稿を含めて、月刊ダイバーの連載は終わる。その続編でこの日記をどこかで出す当てとてないがブログに書いて積み重ねておけば、誰かが出版してくれるかもしれない。今でもその話はあるのだから。とてもできないと断ってはいるが。やれる気持ちになってきた。

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