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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0131 水中橇

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 それは1967-69年、東京水産大学潜水部、第11-13代の時だった。このころ、僕は母校の潜水部のコーチをしていたようなつもりになっているが、正式にコーチという制度があったわけではない。今でもない。コーチという制度はないが、いろいろと面倒を見ていて、自分的にはコーチのつもりだった。

僕の主張は、今も昔も変わらない。ただ、潜水して海底を散歩しているだけでは面白く無い。と同時に何にもならない。何かをしなくてはいけない。そして、このごろ思うのだが、何もしないから危険なのだとも思う。目標があって力を合わせている状況では、事故は起こりにくい。極限状態の実験、冒険は事故の可能性が高いが、その内輪で計画していれば、安全は確保できる。

戦闘機 パイロットは後藤一郎だった。

そのころ、(きっと今でもあるのか?)ポピュラーサイエンスという雑誌がアメリカにあって、定期購読していた。いろいろと面白い道具とか、ちょっとした科学、実験機材などが載っていて、思い出した、ポピュラーメカニックという姉妹誌があって、そのどちらかに、水中を曳航するソリ(橇、サンタクロースがトナカイに引かせる乗り物)の記事が載っていた。よし、これをやろう。潜水部で作らせて、みんなでこれに乗ろう。

潜水部、50年記念誌を見たら、第12代の佐藤英明君が、この橇の事を書いている。そうだった、東亜潜水の僕のところに始終、佐藤くんが遊びに来ていて、1967年、日本潜水会の初代の指導員ではなくて、初代の1級になった。指導員はしごく側、1級はしごかれる側だから、1級の方が難儀だ。ダイバーは、どこまで耐えられるかの実験台になった。その佐藤君に、これを作れと命令した。11代に大塚君が居て、その実家、大塚鉄工場が橇を製作した。僕は漫画のような図面を書いただけで、細かい苦労は大塚君、佐藤君がやったのだろう。ちなみにその上の10代の石川文明(現在西川名オーシャンパーク)その上の9代がダイビングワールドを創刊し、今はフェイスブックのともだちをしている黒川治雄、混合ガスを作ってくれる本山雄策がいる。
話を橇にもどす。作ったのは12代の佐藤くんが中心だったが、彼はそりに乗って走らせたことはなかったような気がする。気の毒に。

僕は去年2014年にも奄美大島の大島海峡、古仁屋、久根津に行ったが、大学2年の時に、久根津で初めてアクアラングで潜水した。1956年のことだ。1968年当時、その久根津にどうしてももう一度行きたかったので、この橇で大島海峡縦断の探検をやろうと企画した。もちろん潜水部としての第一回探検だ。テレビ、新聞に軒並みにあたった。大阪の朝日放送が、乗ってきた。1968年13代の時だ。残念ながら大島海峡に行く予算はつかず、もっとちかいところ、八丈島で走らせてテレビの番組になることになった。フィルムでの撮影は僕がやる。

 その13代が、今は、スリーアイをやっている海洋リサーチ社長の高橋実、彼が僕と一緒にスガ・マリンメカニックを始め、やがてスピンアウトした。潜海という作業会社を作って、お金儲けをして、現在芸術家として遊んでいる後藤一郎、関東学生潜水連盟第二代委員長で、のちに芙蓉海洋開発に入り、深海潜水球で、もう少しで死ぬところだった和久井敏夫、日本初の海底居住、シートピア計画のアクアノートになり、潜水ではなくて単車の事故で命を落とした大掛、同じくシートピアから始まって、僕のライバル撮影会社を創立させた奥川(後に早く病死)潜泳会の中心メンバーになった佐倉、スガ・マリンメカニックに入ってくれた吉川忠、がいる。潜水関係者が多く輩出したのは、僕がコーチで、水中橇をやったからだ、とおもっていたが、この13代に女性が3人もいるのに、その顔が頭に浮かばない。だから、正式にコーチなどしていない。この橇に関連したことだけをやったのだ。ダイビングの指導はだれかにやらせて、もちろん口は出すが、お金は出さず。ダイビングでする活動をプロデュースして、一緒にやる。僕のスタイルの原点かもしれない。

 橇は2種類作った。1台は単座の戦闘機、1台は、複座の攻撃機、別に戦争しているわけではないのだが、イメージとしてだ。僕は飛行機フアンで、ダイブウエイズのフィンも、ムスタング(戦闘機)、トライスター(旅客機)と名付け親になった。
 戦闘機の方は身軽で横転ができた。攻撃機も気持ちよく飛んだ。

 テレビ番組は成功し、その番組のフィルムから、画を抜き出した。フィイルムもあって、潜水部、50周年の時に上映したが、あんまり感動は呼ばなかったようだ。

そうだ、今度の水中科学協会シンポジウムで上映しよう。

 進水、八丈島神港
    

  水面曳航


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