カンダイは、餌付けされていルので逃げない。
イサキの大群は2mの高さのカメラの位置から下まで降りてくることが、2回ほど撮影されているが、2mよりやや上から、かなり高い位置まで、魚礁の上を覆う帽子のような形で、右往左往している。魚礁の上から外側まで、かなり広い範囲で動いているが、その範囲はわからない。ダイバーが何人も泳いでいる時には遠ざかっている。カメラには大型の30cmほどの、メアジが20尾ぐらいの群れて写っている。40位上のイナダも数は少ないが写っている。これらがイサキを捕食のために追っていて、それを避けてイサキの群れが動いている。
「これらを総合して見ると、魚礁の隙間から直上、1m、場合によっては3mあたりまでネンブツダイが覆っていて、ヒラメ(20-30cm)が時折、通り過ぎる、この時にはネンブツダイは隠れる。魚礁の上、3mから上に、これも魚礁の上から、その周辺にかけて、10cm-15cmクラスのイサキの大群がいる。そのイサキを捕食しようと、、30-40cmのイナダと20-30cmのメアジが外縁を周回していて、時折、魚礁の中に突っ込んでくる。」
イナダ
このパターンは、この館山内房付近の魚礁で典型的パターンとも言え、このパターンが成立している魚礁は成功していると考えて良いだろう。
魚礁の外側、2mほど離れた位置に設置したAEE 2台には、スズメダイのまばらな群れ、多分マツバスズメダイ、と、イナダ、メアジが撮影出来ているが、イサキの群れは接近してきていない。遠くに1度見られただけである。
なお、カメラを設置してから、しばらくの時間、20分ぐらい、カメラを船に上げてしまってから、また20分ぐらいの時間、20分×2回 40分ぐらいは参加したダイバーが自由に泳ぎまわって、フィッシュウオッチングの撮影時間が取れる。これが、従来の潜水観察で、定性、どの種類がいたかの撮影観察になる。この間に見た、あるいは撮影した魚種と大まかな数をリストアップする。(まだやっていないが)これは従来の魚礁目視観察調査になる。今回の調査では、設置カメラに写らず目立った魚は、メバル、オオモンハタで、この魚礁でつい最近、巨大魚、タマカイが見られていて、期待していたのだが、どこかに去ってしまっている。もしも、タマカイがいれば、魚礁の上での動きを追うことができたのだが、仕方がない。荒川さんは、まだ、どこかにいて隠れているのだというが。
総合して、次回からの事を考えると、魚礁の低い位置からの観察撮影は、フィッシュウオッチングの撮影で事足りるから、高さ2mが標準でいい。透明度が10m以上あれば、魚礁中心に1基、外周に1基あれば、その魚礁群については、事足りる。ここ波佐間で考えるならば、タイヤ魚礁と2m角、の魚礁など、何箇所かの魚礁を同時に撮影観察すれば、同時期、同時刻での比較ができる。時期の良い時に、10-20台を用意して、一斉に4-5箇所の魚礁調査も考えよう。
次回は、80mほど離れた、魚礁の間の砂地で撮影する事を予定している。二つの魚礁の両方に一台づつ、間は、20m間隔で3台、計5台で撮影する。多分1月中旬になるので、魚の数も少なく、動きも少ないと思われるが、四季を追っての比較もしたい。総じて魚礁調査は魚の数がいないと、効果がないように思われていたが、何時が多く、何時が少ないかを季節を追って調べてゆく事に意味がある。
なお、従来の魚礁調査は、魚礁メーカーの依頼で行うことが多く、そのメーカーの魚礁の効果を見なければならなかったから、選択的に魚の数を追っていて、正しい評価ができなかったきらいがある。